「せ、船長。」
「うむ。こちらが来たようだ。」
●「おそろいでしょうか。」
「え、あ、はい。おかしいですか?」
●「では、ごゆっくりどうぞ。」
「船長。」
「うむ、我々の服装が揃ってる事を聞いてきたようだが。」
「気が付かれたんでしょうか。」
「まあ、いいさ。我々は地球を救うためにやって来たんだから。」
「そうですよね。それにしても船長。」
「うむ、これが、こちらと言う地球の食べ物らしい。」
「う〜ま〜そ〜ですね、それにいいにおい!」
「まてまて、あっちの客を見てまねしよう。」
「はい船長。」
「フォークとナイフはああ持つのか・・・。」
「船長。はやく食べましょうよ。」
「うむ。」
「いっただっきま〜す。はぐはぐ。」
「おお。もぐもぐ。」
「せ、船長。もぐもぐ。」
「う、うまい。もぐもぐ。」
「船長わたしは、こんなおいしいものは初めて食べます。
もぐもぐ。」
「そうだな。もぐもぐ。
地球人は、こんなうまいものを、もぐもぐ。」
「はい、ぼく、もぐもぐ、
ずっと地球にいたいです。もぐもぐ。」
「同感だ、もぐもぐ。」
「ずず〜。ふ〜、この液体もおいしいです。」
「ずず〜。は〜、うまい。」
「船長、はぐはぐ。」
「なんだね、もぐもぐ。」
「この、もぐもぐ、
こちらと、もぐもぐ、言う食べ物は、もぐもぐ。」
「うむ、ごくり、報告書に、
はぐもぐ、ちゃんと書くから心配するな。」
「はい、ごくり、ずず〜、ふう。船長・・・・・。」
「ごくごく。ぷは〜〜〜。」
「・・・・・船長、おいしかったです。」
「ふ〜、あっと言う間に食べてしまった。」
「ごちそうさまでした。」
「うむ、楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまうものだ。」
「ん?」
「船長は、さすがにぴったりの事をおっしゃいますね。」
「てれることを、ここで言うな。さて、行こう。」
「あ、船長待って下さいよ〜。」
「はやくしたまえ。」
「船長。いいお店でしたね。」
「うむ。私も地球の調査が、楽しくなって来た。」
「はい、船長、同感です、」
「船「おお、ここは。」
「はい、ずいぶんとにぎやかで派手ですね。」
「うむ、それにすごい計器類が沢山ある。」
「船長、ここは宇宙船とか造ってるんでしょうか。」
「いや、まて、この建物の事を調べてみよう。」
「船長、なんてありましたか。」
「どうやらここはゲームセンターと言う所らしい。」
「で、それは何を造ってるんですか?」
「いや、そこまでは書いてない。」
「船長、あの人は?」
「う〜む、何か操縦しているようだ。」
「訓練でしょうか。」
「たぶんそうかも知れん。
夢中でやってるし、真剣な顔だ。」
「なにかの訓練施設なんですかね・・・・・。
あ、船長。あれ・・・。」
「おお、あれはミニクレーンだ。」
「はい、船長。下の物をつかんで移動してます。」
「たしかにこれは訓練の為の施設のようだ。」
「あ、途中で落ちました。
残念そうにして行ってしまいましたよ。」
「ちょっと体験してみようか。」
「はい、船長。
さっきの人はそこの穴に丸いお金を入れてましたよ。」
「うむ、ここに入れるのだな。」
「船長、がんばってください。」
「うむ。このボタンを・・・・・・。」
「あ。」
「船長、落ちてしまいましたですね。」
「これは、クレーンの構造が難しく出来てるようだ。」
「はい、船長。それにしても、いろんな機械がありますね。」
「うむ、実に地球人は訓練が好きらしい。」
「はい、自分もそう思います。」
「では、報告書に書いて次の調査に行こう。」
「はい、船長。」
「さて、すこし歩きつかれたから、ここで休もう。」
「はい、船長。でも、どうしてこんなところに、椅子が。」
「ちょっとまて、あっちにも座っている人達がいる。」
「船長。なんか、仲がいいみたいですね。」
「確かに。・・・・そうか。」
「なにか解ったんですか?」
「いや、この椅子だが、どうやら二人で座るらしい。」
「え〜。道理で我々の星の椅子よりも長いと思いました。」
「そっちに座ってもいいよ。」
「はい、船長。座らせていただきます。
・・・・わ〜い船長と一緒だ〜。」
「これ、はしゃぐでない。
見ろさっきの人たちがこっちを見てる。」
「すみません。でも船長と一緒なんだもん。」
「しかし、夜だと言うのに、こんなに明るくして。」
「はい、それに、いっぱい人がいますね。」
「地球人は、寝ないのかな。」
「そうかも知れませんね船長。」
「しかし私はすこし眠くなってきた。」
「船長、自分も眠くなってきました。」
「ちょっとまて、今調べるから。」
「船長、眠い時は・・・何か書いてありますか?」
「わかった。どうやらホテルと言う所で泊れるみたいだ。」
「船長。その文字なら、目の前ですよ。」
「ほんとだ。」
「わ〜いわ〜い。寝られますね。船長。」
「うむ。ゆっくり眠るとするか。」
地球の事は何も知らない二人の旅は、この日は終わった。
しかし、明日もまた調査を開始するであろう。
え、なぜ彼らは地球を調査しているのかって、
たぶん彼らは昔の地球から進化し、2光年程離れた同じ銀
河の恒星に住み、生まれ故郷である地球の異変に気が付い
たのであろう。
その異変の原因を調査、報告するためにやって来たのだ。
調査が終わるまではずっと続きそうだが、地球に慣れてい
ない二人を追い掛けるのも、そろそろ終わりにしよう。
しかし、母なる大地、地球をこれ以上汚さないためにも地
球の住民であるわれわれがひとりひとり考えて行動する事
を願う次第である。
おしまい