あきちゃんとチビ
作:mi_min 作品の著作権はすべて書いた本人のものです。
 あきちゃんはもうすぐ3歳。小さな可愛い女の子です。

あきちゃんのお友達は犬のチビ。パパがあきちゃんの遊び相手に

と、パパのお友達の家からもらってきました。

チビが家にきた時に、パパが名前を付けてくれたんだよ。

名前はチビなんだけど・・・後ろ足で立つと もうあきちゃんより

ずーっとずーっと大きくなりました。

でもあきちゃんはチビが大好きです。

チビもあきちゃんのことが大好きです。

チビはながーくなって寝ている時が多いんだけど、いつも小さなあ

きちゃんの姿を目で追いかけています。そしてあきちゃんがチビの

背中にまたがると、ゆっくり立ち上がって、のっしのっしと歩き始

めます。

あきちゃんはチビの首にしがみついているんだけど、チビの匂いが

して、それにチビが歩くたびに体が揺れて、とっても楽しくなって

きます。

チビの背中の上は高くてあきちゃんは得意になります。

だって、チビはあきちゃんだけしか背中に乗せません。

あきちゃんのいとこのこうちゃんはあきちゃんと同じ年の男の子。

時々おばさんと一緒に遊びに来ます。

こうちゃんにおもちゃを取られて泣いちゃうこともあるけど、チビ

だけは取られません。こうちゃんもチビの背中に乗りたくてたまら

ないんだよ。でも、チビは嫌がってこうちゃんのことは背中には乗

せないんです。そんな時、あきちゃんはちょっとだけ嬉しくなりま

す。


 あきちゃんは、チビとお庭でゴロンゴロンしたり、時々はチビの

お腹を枕にしてお昼寝をするのが大好きです。風邪をひくからって

ママに叱られちゃうけど、チビの心臓の音がトクントクンって聞こ

えると、なんだかママに抱っこしてもらっているようで眠くなって

しまいます。

あきちゃんがチビのお腹に頭をつけると、チビがあきちゃんのほっ

ぺをペロンと舐めます。チビの舌はザラザラしていてくすぐったく

て、あきちゃんはいつも笑い出してしまいます。それにチビのお腹

の毛はやわらかくて、とっても気持ちがいいんです。

あきちゃんは体が弱いし足も悪いので、近所のお友達と遊ぶことが

できません。だからあきちゃんにとってはチビが大切なお友達なん

です。

いつもはほとんど吠えたことがないチビがうるさく吠えた時があり

ました。ママが変に思って急いでチビのところに行くと、あきちゃ

んが倒れていたんです。すぐに救急車で病院に運ばれて、それから

何日も何日もあきちゃんは高い熱を出して眠りつづけていました。

やっと目を覚ました時のパパとママの嬉しそうな顔!

あきちゃんにはどうしてパパとママがそんなに喜んでいるのかわか

りませんでした。

それから、ご飯を食べる練習や歩く練習もしました。あきちゃんに

は、今までちゃんと一人でご飯も食べれたし、ゆっくりだけど一人

で歩けたのに、どうして出来なくなってしまったのかが不思議でし

た。それにチビにも会えません。ママに聞いたらチビは病院には来

れないんだって。だから、いっぱいご飯を食べて、いっぱい歩く練

習もして、早くお家に帰ろうねって言ってました。

つづく
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